KKD投資(勘と経験と度胸の投資)とデータドリブン投資

https://www.youtube.com/watch?v=Bz8ppNEtT4M&t=339s

株価は予測ができない。
統計的には、「答えを株価とする説明力の高い方程式が作れない」ことを意味する。

『ウォール街のランダム・ウォーカー』(日経BP)の著者で投資界隈で有名なブリンストン大学名誉教授のバートン氏も
「株価はランダム・ウォークする。(=ランダムに動く)」
とおっしゃている。

にもかかわらず世の中の多くの人がなんとか予測できないかと考え、チャレンジしている。

私自身も一攫千金を目指して、データ分析を駆使して株価方程式の作成にチャレンジしたことがある。

結果分かったのは、「これは無理、無理」ということである。

まず株価に対して説明力の高い変数が見つからない
その場合、変数を広く集める必要があるが、株価に影響を与える変数は無数にあり、ある程度の網羅性を担保することすら難しい。
更に投資家の行動が与える影響も大きいと考えられるが、そこはデータとしてとることができない。

結果、ほとんど精度がでない。バートン氏が言うように、株価の動きはランダムだととらえるのが妥当であると、この経験からも思った。

「株価の動きがランダムだとした時に、どう対応すべきか?」

これが大変重要な命題である。

現在世の中にある株式投資の考え方のほとんどは、ランダムを前提としていない限定された情報だけで、株価方程式が作れるという前提に立っている。

例えば、
・過去の株価のチャートをみれば、将来の株価が予測できる。<テクニカル系>
・プレスリリースの情報と四季報の情報があれば、将来の株価が予測できる。<ファンダメンタル系>
・業界分析と企業分析をしっかりやれば、将来の株価が予測できる。<ファンダメンタル系>
といったことである。 
※なお、中長期の予測は別の話になります。

これらは全て抽象化するとやっていることは一緒で、
「一部の限られた、かつ統計的な有意性のない要素で、株価を説明しようとしている」
ということである。

これは、言ってみれば、勘と経験と度胸に基づく投資手法である。

だから、あたることもあれば、外れることもある。

結果、株価のランダム性を考えると、統計的にはほぼ±0位におちつくと考えられる。(※株の場合、プラスの要素として配当があり、一方マイナスの要素として売買の手数料がある。一般に前者の方が大きいと考えられるので、正確には、+数%のプラスにおちつくと考えられる。)

ただこれはばくちと考えると悪くない。

±0ということは、期待値が100%ということである。100円投資すれば、平均的に100円戻ってくる。

例えば、競馬は75%程度[1]である。100円投資すると75円はかえってくる。25円は楽しみ代であろうか。

宝くじに至っては、47%程度[1]と言われる。これまで宝くじに10万円投資した人がいると、平均的には4万7千円はかえってきている。残りの5万3千円分は夢をみたお代であろうか。

おもしろいのは、パチンコである。その期待値はなんと、97.63%[1]。ここまでくると、パチンコが大衆娯楽だと言われるのも理解ができる。

そう考えると株式投資は、ばくちとしては筋がかなりいい。
ただ、株式投資をばくちにしていいのだろうか?

いや、よくない。

「ではどうすればよいか?」

ランダムの世界の中で株式投資をばくちにせずに行う方法、それがデータドリブン投資である。

[1]『確率・統計であばくギャンブルのからくり』(著者:谷岡一郎,出版社:ブルーバックス)

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