【CEO著書紹介】お金から自由になる人生の設計書 ~年収にかかわらず経済的自立を実現する方法~

お金に翻弄されているあなたへ。

本書は、「お金から自由になるための方法」を書いた本である。

お金から自由になることをここでは、経済的自立と呼ぶ。正確には、
「人に依存せず、かつ自分で働かなくても食べていける状態」を意味する。

この経済的自立を目指して、世の中にはマネー本や金儲けのノウハウ本があふれている。更に、早期退職を目指して経済的自立をする、いわゆるFIRE※1と呼ばれる米国発のムーブメントも今、日本で拡大している。

ただ残念ながらこれらは、自分のお金で実践したことがない評論家・専門家による机上の推論か、もしくはたまたまうまくいった特殊な方法があたかも全ての人にも実践できると主張する拡大解釈のいずれかがほとんどである。

たとえば、月5万円の投資で1億円の資産を作るという話が仮にあったとする。

東証一部上場企業の平均利回りは2%程度※2 であり、もしこの平均で運用した場合、1億円に到達するのに約74年かかる。1950年ごろ、戦後の復興が急速に進みはじめたころに積み立てをはじめて、ちょうど今1億円に到達するという計算になる。仮に10%で運用しても約30年かかる。まず、この「30年」という数字をどう捉えるか、ということがある。さらに、30年間安定的に10%で運用できる商品は、果たして今の世の中にあるかといった現実的な問題もある。

たとえば、あなたも簡単にFIREできるという話が仮にあったとする。
FIREまでの年数は、「手取り・投資比率(=手取り収入のうち投資に回す比率)」と「投資の平均利回り」の2つで概算を計算できる。平均的な日本人像として、前者を30%※3、後者を2%とおいて計算すると、その年数は61年となる。当然無茶なことをやれば年数を短くすることはできるが、実直に働きたいと考えている人がやるには無理がある。

ここで大切なことは、雰囲気に流されずにまずこのような現実的な数字をきちんと把握することである。

その上で、あなたに聞きたい。
「あなたはお金から自由になって、何をしたいのか?」

ビーチで昼からビールを飲みたい、朝から夜までずっとゲームしていたい、韓国ドラマをぶっとおしで全部見たい、資格の勉強をしたい、1日中寝ていたい……

いろいろ出てくると思うが、ここに挙げたようなことは、いまでもやろうと思えばできることである。というか絶対できるから、ただやればいい。

こういうことではなく、もっと自分の心の声を聞いてほしい。
「朝起きるのが楽しくてしょうがない。早く自分がやりたいことをやりたくて、目覚まし時計より早く起きてしまう。そして気づけば1日が終わっている。寝るときは朝起きたときより、もっと興奮していて、早く明日の朝にならないかなと思いながら眠りにつく」

いまの自分はどうなのか? 自分が何をやっていたら、このような毎日を感じられるか?そういう世界に行きたいと強く想う、その情熱が経済的自立を実現する強い原動力となる。

この本は、そういう情熱をもっていて「やりたいことがあるけど、お金が不安ではじめの一歩を踏み出せない人」にどうしても読んでもらいたい。

例えば、40代のあなた。社会人人生の最後に自分が心からやりたいライフワークにチャレンジしたい。そしてお世話になった社会に恩返しをしたい。でもお金が心配で一歩が踏み出せていない、そんなあなたである。

もう一度言う。そういう人にはぜひ読んでいただきたい。
ただ、とはいえそのような人はこの時代まだ少数派かもしれない。

そこに至る前に、将来に対して漠然とした不安を感じている段階の人もいると思う。

例えば、入社3年未満の新人社会人のあなた。仕事はそこそこ、プライベートはまあまあ充実。でもこのままでいいのか、将来のお金に不安を感じているあなたである。

例えば、小学生の子どもを育てているあなた。学歴社会じゃなくなるっていうけど、じゃあ子どもには何を準備させておけばいいの? 解がなく、漠然とした不安をいだいているあなたである。

そんな人にも読んでもらいたい。

ところで、ここで何やら偉そうなことを言ってるお前はそもそも何者なのかという疑問がそろそろ浮かんでくる頃ではないかと推察する。

私は、データの専門家であり、大学教授で投資家でかつ起業家である。データ分析を駆使した株式のポートフォリオモデルを開発し、既に経済的自立を実現している。

私自身は、幼少よりお金とは縁がなく、塾も、私立の学校も、外国へ旅行へ行くことも、叙々苑も、グッチも自分には縁がないものという世界で育った。しかしながら、それに不満を感じたことは一度もなかった。

ただ、その反動か、社会人になってからお金に対する潜在的な不安を常に感じていて、1年目から会社の持ち株の積み立て等、手取りの2割~3割を投資に回すということを誰に教わるでもなく、自分の本能でやっていた。そして、社会人10年目には都心にマンションを現金で買える位までになった。

その後投資にのめりこみ、当時はやっていた和牛商法にはまりそうになり、そして六本木系の新興企業への株式投資で大きな損失を出した。

この経験より、「うまい儲け話にはのってはいけないこと」そして、「投資は人に任せてはいけないこと」が分かった。

それを胸に止め、その後10年間ごくまじめに働きながら、経済的自立を実現するための方法論を確立した。そしてその方法論を自身に適用し、経済的自立を実現している。

本書は、その自身において実績のある方法論を、実直に働きながら経済的自立を目指す人に再現可能なやり方で一般化したものである。

経済的自立の実現について、ドラゴン桜の桜木先生風に言うと、
『まずは、経済的自立をするというゴールを決めることだ。人間ははっきりとゴールが見えれば準備をし達成へと着実に進む。逆に目標を持たなければ漂流してやがて無気力になっていくんだ』(阿部寛さんになりきって音読してください。)

経済的自立はドラゴン桜が目指す東大に入るよりはるかに簡単である。というより受験全般とは比較にならないくらい簡単だ。

いわんや、スポーツおや。スポーツは怖い。もしあなたが男でスケートをやっていて、同世代に羽生結弦選手がいたらどうであろうか? 絶対にあなたはチャンピオンになれない。もしあなたが女で体重がスーパーアトム級で格闘技をやっていて、同世代に伊澤星花選手がいたらどうであろうか? 絶対にあなたはスーパーアトム級のベルトを巻くことはできない。

ところが経済的自立はそんなことを気にすることは必要ない。誰かとの戦いではなく、自分だけとの闘いだからである。そういう意味では、ダイエットや筋トレがアナロジーとしては分かりやすいと思う。

ここでギクッとしたあなた。「いろんなダイエットやったけど、いまだにあんまかわらないんだよね……」「細マッチョあこがれるんだけど、あこがれるだけになってる……」 

もし本気で経済的自立を目指すのであれば、ここだけは乗り越えないといけない壁である。楽々ダイエットとか、手抜きしてもむきむきになれるといったことは言うつもりはない。更に、ダイエットや筋力強化自体もそんなことで実現できる甘い世界ではないと思う。

「私は本気で経済的自立を目指したいです。具体的にどうやったら実現できるんですか?」

大変いい質問である。正にその質問の答えがこの本に書いてある。
その具体的な方法を順を追って説明していく。

まず第1章で、あなたに経済的自立のロジックを理解してもらう。
「結局、モノのロジックをわかってる者が霊長類最強である」

ここでは、多くの人がもつ質問に対してそれぞれ回答を用意している。
  「貯蓄から投資へ」は正しいのか?その本質的な価値は何か?
  なぜお金の不安は増え続けるのか? 
  お金の不安を解消する根本的な解決策はなにか?
  実直に働きながら実現可能な経済的自立とは?
  ライフワークの悪循環の罠にはまらないためには?

次に第2章で、あなたに経済的自立に向けた準備を整えてもらう。
「学ぶ準備ができていない者は、学んでも果実を得られない」

まずは、「情熱」と「行動」、「労働収入」と「資産収入」の4つの観点であなたの現時点の準備状態を把握する。その上で、それぞれ具体的になにを考えるべきかを理解する。その結果をふまえ、あなた自身の将来の「ストーリー」を創り上げる。これがあなたの経済的自立の予言の書になる。予言の書を書くと実現するというのは20世紀少年で既に証明されている。

第3章では、経済的自立を実現するためのリスキリングのプログラムを提供する。
「自分で描いた夢に向けてなら、どんな努力も努力でなくなる」

経済的自立を実現するためには、労働収入と資産収入を増やすことが求められる。そのために必要なのが収入を増やすためのスキルである。この章では、このスキル育成のための体系だったプログラムを提供する。これをきっかけとしてリスキリングを実際に行っていくことで、あなたの経済的自立の予言の書は現実のものとなる。

第4章では、あなたにはじめの一歩を踏み出してもらう。
「ただ早く行動すればいいってもんじゃない」

まずは徹底的に考えること、これがはじめの一歩である。次にそこから3歩進む。具体的には、貯金、投資、そして統計の勉強である。そしてその後リスキリングの具体策に踏み出してもらう。
更に、この章では各世代別(ベビーブーマー、X世代、Y世代、Z世代、α世代)に経済的自立のための具体的なアドバイスを用意している。

本書には、経済的自立を目指す40代男性と20代女性の二人の主人公が登場する。また、有名大学教授、勘と経験と度胸が得意の常務執行役員、データサイエンスの申し子の新入社員、天才乳児、量子コンピューティングおたく、ライオンの親子等も登場し、さまざまな会話を繰り広げる。本書の内容の具体的な理解を深めるという観点で、そちらの会話も楽しんでもらえると大変うれしい。

最後に、ドラゴンボールの亀仙人風に経済的自立とは本質的に何かということを言ってみる。

『経済的自立を目指すのは、ビーチで昼からビールを飲むためでも、ギャルから「あなたお金持ちね♡」と言われるためでもない! 経済的自立によって、お金に関わらず心からやりたいことをやって、人生をおもしろおかしくはりきって過ごしてしまおうというものじゃ!

それでは、一緒に経済的自立を目指す旅に出よう。がんばるぞ、おー!


※1 FIRE
「Financial Independence, Retire Early」の略称。日本語では、「経済的自立と早期退職」を意味する。生涯に渡り、働かなくても食べていける状態を実現していること。

 ※2 利回りの平均を2%とおいた根拠
日本証券取引所の株式平均利回りのデータによると、第一部セクションの加重平均利回りが、2016年4月~2019年3月のコロナ環境前で平均1.98%、2019年4月~2022年3月で平均2.21%である。本書ではきりのよい2%を利回りの平均の目安として使用

※3 手取り・投資比率の平均を30%とおいた根拠
総務省統計局の家計収支調査結果によると、日本の総世帯の黒字率(=国民経済計算の家計貯蓄率とほぼ同じ概念)は、2014年~2019年にかけ、26.5%~32.7%と推移している。そして、コロナ環境下の2020年と2021年はそれぞれ、39.3%、38.1%と増加している。本書ではコロナ環境前の数字を参照して、きりのよい30%を黒字率の平均の目安として使用。

 


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